便秘が悪化する理由
1.便意のがまん
便意をがまんすることは、直腸に降りてきた便を無理やり体内にとどめることであり、体のメカニズムに逆らっています。あまりにがまんの回数が増えると、自然の便意が起こりにくくなってしまう可能性があります。
2.朝食抜きや過度の小食
便は食べた物の残りかすですから、食事をしなければ便の材料がありません。また、排便を引き起こす腸の運動は、胃に食べ物が入ったことを契機に起こります。
3.睡眠不足や夜型の生活
夜遅くまで起きていたり、昼夜逆転の生活をしていたりすると、自律神経の働きが乱れ、腸のリズムに狂いが生じてしまいます。
4.冷えと水分不足
特に冬場は気温が下がるため、血行が悪くなり、腸に行く血流も少なくなって、腸の働きが抑制されます。また冬場は寒いため、水分を摂らなかったり外出を控えたりと、便秘になる条件が重なります。
夏も暑さで水分不足となり、便に含まれる水分が不足し、スッキリとした排便が難しくなります。
5.運動不足
排便につながる腸の動きには、腹筋が強く関わっています。また、ウオーキングなどの運動でも腸は動きます。運動不足が、腸の動きの低下を招くことにもつながります。
6.加齢
腸壁の強さは弾力は、10代をピークに加齢とともに確実に衰え、腸管粘膜の神経細胞数も減少していくことが知られています。また、高齢者の場合、食事量の減少、筋肉や骨の衰え、運動量の低下、さらに、全身の病気が引き金となった排便障害、手術による腸の癒着など、便秘を悪化させやすい条件がそろってしまうのです。
7.女性ホルモンの影響
便秘は、どの世代の女性にとっても、深刻な問題となっています。
女性は、生まれながらに便秘になりやすい要因を持っています。それは、月経の周期に伴って分泌される女性ホルモンです。女性ホルモンの働きが活発になると、大腸のぜん動運動が抑制され、便の水分がなくなって固くなってしまうのです。
この時期の便秘はある意味仕方のないものです。月経前は特に食べ物などに注意して、便秘が定着しにくい習慣を維持したいものです。
8.手術の後遺症
頑固な便秘の原因に、腸管の癒着があります。盲腸や子宮筋腫、子宮がんなどで開腹手術した際に臓器が空気にさらされると、となりあった臓器と臓器、腸管と臓器がくっついてしまうことがあるのです。
癒着は手術を行う以上ある程度避けられないものであり、手術後10年経ってから便秘の症状が起こる人もいます。
9.特定の病気や薬の影響
甲状腺の病気、甲状腺機能低下症などで便秘の症状がみられることがあります。また、抗うつ薬の副作用として便秘が表れることもあります。
10.下剤の乱用
下剤を使うと、ぜん動運動があり便意が起こるという腸のリズムが妨げられます。
どうしても苦しいときに使う分には仕方がないのですが、乱用していると、腸の働きそのものが衰えてしまいます。