便秘解消☆

風邪をひいたとき、薬は咳や頭痛といった風邪の症状を抑えるだけで、風邪を治すわけではありません。そのことと同じように、下剤も、「とにかく出ないで苦しい」という状況を一時的に改善するためのものであり、便秘そのものを下剤が治すわけではありません。

 

それどころか、下剤を飲み続けることで、便秘は確実に悪化していくのです。

 

腸の働きのうち、排便に深く関係があるのが「ぜん動運動」と「直腸反射」です。ぜん動運動で送られた内容物(便)が直腸に到達すると、脳がその信号をキャッチし、「便意」として反応します。私たちはこの便意を感じるからこそ、トイレに行き、便を出してスッキリできるわけです。

 

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下剤を使うと、このリズムが妨げられます。

 

健康な便意は直腸に便が到達して起こりますが、下剤(アントラキノン系下剤)によって起こる便意は大腸を刺激することによって起こるもので、「おなかがしぶる感覚」であり、本来の自然の便意とは異なります。これは便意ではなく、下剤によって起こる「しぶり感」なのです。

 

当然、排泄される便も、通常のプロセスを経ずにダイレクトに排泄されるものが含まれます。そのため、水っぽくなったり、無理に出すために腹痛を伴ったりすることもあります。「スッキリ感」のない、ときには「つらい」排便です。

 

このようなことを繰り返していると、腸を自力で動かすことが次第にできなくなり、さらには直腸に到達した便を脳が感じて指令を出すという連携もうまくいかなくなります。また、下剤を常用していると排便に必要な筋肉も衰え、自然な排便を体がどんどん忘れてしまうのです。

 

こうして便意が消失してしまうと、直腸に便が入っても、脳に指令が行きません。このため便がどんどんたまり、腹部が膨張することになります。便意の消失とともに、腹部の膨満感やお腹の痛みなど、便秘に伴う症状もより強くなります。これが苦しいために、つい下剤に手が伸びてしまうというケースに陥ってしまうのです。

 


 
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